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ここがすごい!鍛造指輪

鍛造製法

鍛造指輪は、鋳造の指輪と比べると製作に時間がかかりますが、鍛造による金属の加工は金属の特性を引き出す製法であることから、鍛造指輪は、品質の高い指輪に仕上がります。鍛造指輪の4つの優れた点についてご紹介します。

 

『美しさ』が鍛造指輪の良さ

1つめは、美しいことです。鍛造指輪が美しい理由は、指輪の材質もさることながら、鍛造そのものにあります。

鍛造の特徴は、金属を高温で熱した後、強い圧力をかけることです。金属に強い圧力がかかることにより、金属表面の硬度が高くなりますが、硬度の高さこそ美しさを引き出すのです。

また、圧力を加える作業は機械で行われますが、指輪を仕上げる作業は、職人の手によって行われます。

特に、指輪の内側や外側などに丸みを施す作業は丹念に行われます。指輪の輝きや形はもちろんですが、職人の丹精な仕事も美しさの要素と言えるでしょう。

はめていることすら忘れる『着け心地』

2つめは、付け心地が良いことです。鍛造指輪は付け心地が良いことから、指輪をはめていることすら忘れてしまうほどと言われています。

鍛造指輪のつけ心地が良い理由は、指輪の丸みをつける微調整を、やすりを使って手作業で行うことです。

指輪は全体的に丸みがつけられますが、特につけ心地を左右するのが、指輪の内側の丸みです。指輪の内側には鏡面仕上げが施されるなど、特に念入りな仕上げが行われます。この作業によって、指輪をはめた時に摩擦が少なくなります。

使い心地の良さを追求するために、念入りに仕上げを行っていることが、付け心地の良さを高めていると言えるでしょう。

 

 

ずっしりで高級感そして『満足感』

3つめは、ずっしり感です。その秘密も鍛造加工にあります。

鍛造加工は金属を熱してたたきますが、金属をたたくことで金属内部にたまっていた空気が押し出されるため、金属の密度が高くなります。

指輪を掌に乗せると確かにずっしりしているため、高級感が出て何より満足感を得ることができます。しかし一度指にはめるとその重さを感じることもなく、快適に過ごすことができるでしょう。

 

鍛造によって、強度が高い指輪へ

4つめは、強度が高いことです。強度を向上させることこそ、鍛造の大きな目的と言えます。

鍛造の例としては刀鍛冶があります。刀鍛冶は、金属に圧力を加えることによって刀の強度を高めています。なお、強度計算上、金属を高温で熱した後に冷やすと、より強度が高まります。

「長年つけていた結婚指輪が変形してしまった」という声を耳にすることもありますが、鍛造指輪であれば鋳造と比べて変形に比較的強いうえ、金属表面の硬度が高いので磨けば強い輝きを放ちます。

このように、鍛造の指輪には多くの長所が見られます。指輪の美しさ、付け心地の良さ、重さによる満足感、強度の高さは、鍛造だからこそ成せるものと言えるでしょう。

 

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