Column コラム
ダイヤモンド4Cの真実 ~鍛造指輪のこだわり③ 4/9
■4Cはダイヤモンドの美しさの基準ではない
さて、鑑定書に記載されている「4C」ですが、これも単にグレードだけを見ていたのでは、ダイヤモンドの本当の品質は判りません。
たとえば「カラー」です。 先ほどもお話ししましたが、ダイヤモンドの4Cのひとつであるカラーは、無色透明を最上のDグレードとして、黄色や茶色の色味の度合いに応じてE、F、G……Zと、23段階にランク分けしています。
昔はあまり重視されていなかったグレーの色味についても、現在ではグレードの評価に反映されるようになりました。ですが黄色や茶色、グレーやそれ以外の色味がどの程度混じっているのかは、鑑定書のグレードを見ただけでは判りません。
完全な無色透明のダイヤモンドというのは非常に珍しく、それだけに価値も高いものです。ひとつだけではまず判りませんが、たくさんのダイヤモンドを同時に見比べてみると、それぞれに色の違いがあるのがはっきりと判ります。
キラキラと透明に輝いているもの、いくぶん黄色っぽく見えるもの、白く霞んだような色をしたものも見つかるでしょう。
こうした色味の違いは、ダイヤモンドが天然のものである以上、避けることができません。 代表的なのは、白く霞んだように見えるダイヤモンドです。これは無色透明にグレーが少しだけ混じっていて、そのために光を当てると白く濁ったように見えるのです。 グレーの色味が濃くなってくると、鑑定書にも「フェイントグレー」「ベリーライトグレー」などと表記され、グレー混じりの色味であることが明記されます。
ですがそこまでグレーが濃くない場合には、文字グレードだけがランクダウンする……つまり本来はFグレードのダイヤモンドだけれども、グレーが入っているのでGグレードとする、という調整が行われます。
そのため鑑定書を見ただけでは、「Gグレード」という評価が黄色味によるものか、あるいはグレーが入っているためか、判断することができません。
だからこそ、鑑定書のグレーディングを鵜呑みにせずに、自分自身の目で確かめてみることが大切なのです。
グレー混じりのダイヤモンドは、実際に数多く流通しています。そのダイヤモンドにグレーがどれほど混じっているか、単体で見たのでは、まず判らないでしょう。
ですがよりグレードの高いダイヤと並べ、見比べてみると、その違いがはっきりと判ります。
このことひとつとっても、鑑定書の4Cばかりを過信せず、自分自身の目で選ぶことが大切だということが、お分かりいただけると思います。