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安易に決めると危険!鋳造(ちゅうぞう)指輪の悩みところ

指輪

鋳造(ちゅうぞう)指輪は、鍛造(たんぞう)指輪と比べると大量生産でつくるので価格が安いことがメリットです。

(※ただし、値段の高い鋳造指輪も数多くあります。) しかし、鋳造指輪は、鍛造指輪に比べると強度が弱いことから、変形してしまう、または壊れてしまうというケースも多々見られます。

 

指輪は変型するもの??

鋳造指輪の悩みで多く見られるのが、指輪が変型したり壊れてしまうことです。結婚の記念となる指輪が壊れてしまうと、とても悲しい気持ちになってしまうものです。

壊れる事例で最も多いケースとしては、指輪が変形してしまうことです。指輪の全体ではなく、部分的に変形するケースもありますが、中には、楕円形のように変形してしまったり、三角に近い形に変形してしまったりすることもあります。

なぜ、鋳造指輪は鍛造指輪と比べると壊れやすいのでしょうか。鋳造の工程について説明します。

 

鋳造指輪の工程

鋳造の工程について

鋳造の工程では、金属を熱して溶かし、鋳型(いがた)と呼ばれる型に入れて金属を冷やします。そして、金属が固まったところで鋳型を外すとできあがりです。

鋳造工程は、鍛造工程と比べると少ない工程で金属を作ることができますが、鋳造工程では、鋳造欠陥が生じる場合があります。

主な欠陥の理由としては、金属内の空気が完全に抜けにくいことがあげられます。また、金属が完全に熱せられておらず溶けきっていないことや、鋳型内部の温度にばらつきがあるため、金属が固まる時に「す」ができてしまうことなども理由としてあげられます。

特に、金属内の空気が抜けきっていないことで、金属内に空洞ができやすくなりますが、空洞が残ることによって金属の強度が低下してしまいます。これが、指輪の壊れる要因になってしまうのです。

 

プラチナの指輪には強度が必要

また、鋳造指輪が壊れやすい原因として、材質にプラチナを使用していることがあります。

プラチナは、結婚指輪では人気の材質であることから、多くの指輪に使用されています。しかし、プラチナは、金属の中では比較的柔らかい性質をもっています。そのため、プラチナを指輪にする場合は、プラチナの強度を高めておく必要があります。

しかし、鋳造の場合は、鍛造と比べると強度が低下してしまうことから、指輪が壊れる原因につながってしまうのです。

強度の面で言えば、鍛造で作られた指輪が優れています。

鍛造(たんぞう)は、熱を加え、非常に強い圧力を加えて作ることから、金属の密度が高く、しかも、空気を含んでいないので、強度が高いことが特徴です。そのため、鍛造の指輪は壊れにくいと言えるのです。