Column コラム
ゴルフと鍛造の関係/フォージドのアイアン
スポーツ界にも鍛造が登場
鍛造と鋳造、この違いが大きな議論を呼ぶスポーツがあること、ご存じでしたか?それはテレビ中継が多く日本で誰でも知っている、ゴルフなんです。これを聞いて、プレイしない方でもなるほど、と思ったはず。見ての通り金属のゴルフクラブでボールを飛ばすスポーツだからこそ、この違いは大きな影響があっても不思議ではないでしょう。今回はこのゴルフと鍛造、鋳造のお話です。早速見て参りましょう。
専門家でも、実は意見が分かれる
ゴルフ界には、「アイアンはフォージドだ」と唱える人がいるそうです。フォージドとは鍛造のことを指します。そう、ゴルフでは使うクラブが鍛造であるか、鋳造であるか、その賛否は大きく別れるというのです。
今回はゴルフの専門誌の議論ではありませんから、結論には触れません。しかしフォージドはコントロール性がよくなるとか、フォージドでなければ飛距離がでるとか、そんな通説は聞こえてきます。しかしスポーツで素材や質の違いが議論されるのはめずらしくなく、テニスならコートやラケット、卓球ならラバーといった感じです。ゴルフにもその一つとして、鍛造が登場する訳ですね。
鍛造と鋳造、使う金属の影響も色々?
ここでおさらいです。鍛造は金属をたたいたり曲げたり、力を加えて成型する方法を指します。一方で鋳造は方に溶かした金属を流し込む製法。これらで金属には大きな強度の違いが生まれ、このちがいがゴルフに影響を与えるというのです。
さて、ゴルフでは鍛造に用いる金属の話も登場します。たとえば、柔らかい鉄でできた軟鉄。柔らかい金属を鍛えて増した密度で振動を減らすのだとか。鋳造はそれに対し硬い素材から作ることに長けているようです。鍛造で作るのが難しいステンレスなどの堅い金属こそ、鋳造の得意分野になるという訳ですね。
技術による区分けも存在している?
今、ゴルフ界では鍛造のクラブは飛ばしやすく初心者にも向いていて、鍛造のクラブは上級者向け、という印象をもたれるのが一般的のようです。私たちの持つ鍛造のイメージそのままに鍛造は重厚で量産できず、鋳造は手軽で量産ができるというわけです。
指輪も同様です。鍛造の指輪は金属を鍛え、手間がかかるために量産はできません。鋳造の指輪は方に流し込むために大量生産が可能です。鍛造一つとっても、スポーツと指輪で見方も大きく変わりますね。ゴルフをする上司とのお話にも、鍛造に関する豆知識としても、是非参考にしていただけたらと思います。