Column コラム
ダイヤモンドに必ずある傷、割れに注意 ~鍛造指輪のこだわり⑥ 7/9
■ダイヤモンドは傷や割れが必ずあります。
「4C」の一角をなすものに「クラリティ」があります。これはダイヤモンドの内部に残っている内包物や傷、割れなどの程度を表すものです。
10倍のルーペで見たときに、石の内部にも外部にも内包物や傷などが見られないFL(フローレス)を最上として、11段階に分けられています。
ダイヤモンドは天然の鉱石ですから、炭素の粒といった内包物や、ヒビ、割れといった傷を完全に防ぐことができません。ですからパッと見には完璧に見えるダイヤモンドでも、拡大してみると、異物が含まれていたり内部にヒビが入っていたりということが確認できます。それらのマイナスポイントの程度を示すのが、このクラリティです。
クラリティがVS2以上であれば、たとえ内包物があったとしても、まず肉眼では見ることができません。指輪として指にはめることを考えれば、まったく問題にならないレベルです。
とはいえ、内包物はともかく、傷や割れは問題です。ダイヤモンドの輝きにも影響しますし、何よりその傷がもとで石が欠けることもあり得ます。ましてその傷が石の内部にとどまらず、表面にまで達していたらどうでしょう。強い衝撃を受けたはずみで、石が割れてしまいます。 せっかく手にした婚約指輪のダイヤモンドが、割れたり欠けたりしてしまったら大変です。
鑑定書のグレードだけで判断するのではなく、石の内部までしっかり点検して、問題がある石を扱わないようにするのは、ジュエリーショップとしての良心でしょう。
またお客様の側でも、そうしたところにも注意して石を選ぶことが大切です。 石の内部を拡大して見ずに鑑定書のグレードだけで判断するのは、結婚相手を実際に会うこともなく履歴書と写真だけで決めてしまうことと同じだと思います。