Column コラム

宝石業界裏話(8)【どちらのダイヤが美しい?】

宝石業界裏話

写真の2つのダイヤモンドどちらが美しいですか?

左は透明感がなくて白っぽいですよね

明らかにボケたようなダイヤモンドで一方、右のダイヤモンドは澄んだ透明感と輝きがあります。

当社ご来店の方に実際にお見せしましたところ100%の方が右の方が美しいとお答えになりました。

 

では、この2つのダイヤモンド。鑑定書の鑑定結果はどうだったでしょうか?

驚きの結果が出てしまいました。

  • 左は Gカラー SI2 VERYGOOD
  • 右は Gカラー SI2 GOOD

そうなんです。鑑定は左の方が品質が上。という結果が出ているんです。

繰り返しますが、美しいダイヤモンドは明らかに右なのに鑑定書では左の方が上という結果なんです!

これは何を意味するのでしょうか?

鑑定書なんていい加減だ。ということではないのです。

【ダイヤモンドの美しさは4Cだけでは評価できない】

ということです。

つまり【鑑定書は1つの品質基準にすぎず、美しさを評価するものではない】と言うことなのです。

美しさの評価は、貴方自身の眼で、そして何より信頼できる宝石販売店で4Cだけでなく、美しさの説明もしてもらう事が何より重要です。

ただ、現在の宝石業界全体が、実物のダイヤモンドよりも鑑定書を重んじる極端な『鑑定書偏重主義』となっており、本当の『美しさ』を理解している真のダイヤモンドジュエラーが少なくなっている悲しい現実があります。